仮想通貨は、時価総額で圧倒的1位のビットコイン(Bitcoin:BTC)を筆頭に、今では2千種類を超えると言われています。それらの中から投資する通貨を選ぶのは楽しいことですが、同時にとても難しいことでもあります。この記事では、独断と偏見で「僕が考える将来性のある仮想通貨ランキングTOP10」を発表します。
将来性がある仮想通貨とは
そもそも、仮想通貨において「将来性がある」とはどのようなことでしょう?僕の場合は、次に挙げる3つの項目から将来性について評価しています。
流動性
売りたいときに売れない、買いたいときに買えないのでは、思い通りの取引ができません。そのため、CoinMarketCapやCoinGeckoなどで、時価総額以外に実際にどの程度の取引が行われているか確認します。出来高が多ければ、それだけ売買注文が成立しやすくなります。
時価総額の順位と比較して24時間の出来高の方が順位が上の場合は、知名度の割に人気がある通貨です。今後一気に価格が上昇する可能性があるので要チェックです。
また、取引所によって出来高が大きく異なる場合もあります。さらに、取引所によっては日本人が利用できないところもあるので、そういったことも確認しておきましょう。
実用化
各仮想通貨は、最終的には実用化され、社会に必要とされる存在を目指しています。そしてそこにたどり着くために、リリース前に通貨の目的や計画を詳細に記した「ホワイトペーパー」が公開されています。
ホワイトペーパーと照らし合わせることで、その仮想通貨の開発が順調に進んでいるのか確認することができます。また、他の企業などとの提携といったニュースがあれば、順調に開発が進んでいると見ることもできます。
コミュニティ
非中央集権的な仮想通貨は、コミュニティの活発さがそのまま仮想通貨の将来性につながります。FacebookやTwitterのほか、日本ではあまり馴染みのないRedditやTelegramといったSNSに強いコミュニティを持つ通貨もあります。
また、技術的なコミュニティはGitHubにあります。ここではソース(プログラムなど)が公開され、開発が行われています。GitHubで新たに公開されるソースの数によって、技術的なコミュニティの活発さを測ることもできます。CryptoMisoというサイトでは、GitHubにアップされたソースの数を知ることができます。技術的な内容は分からなくても、CryptoMisoでカウントされた数が多ければ、それだけ熱心に開発が行われていると考えられます。
将来性のある仮想通貨TOP10
それでは、独断と偏見に基づいてランキングした仮想通貨TOP10をご紹介します。
なお、時価総額ランキングは2019年1月16日時点のものです。
【1位】リップル(Ripple:XRP)
時価総額上位で、さらなる発展が見込める!
時価総額ランキング:2位
ひょっとしたら、2019年はリップルの年になるのでは?と思っています。本記事執筆時点での時価総額はイーサリアム(Ethereum:ETH)と2位を争うまでに成長しており、大手金融機関や送金決済サービス業者との提携など、慌ただしく動き出しています。取引所の中にはリップルを基軸通貨として採用するところも現れており、実用化が遠くないところまで来ています。
仮想通貨界全体が下げ市場のため価格は上昇していませんが、もう一度「億り人」メーカーとして脚光を浴びる可能性も十分にあります。
【2位】オミセゴー(OmiseGO:OMG)
東南アジアを中心に普及が進む仮想通貨
時価総額ランキング:32位
東南アジアを中心に、実生活にも普及しつつあります。銀行口座を持てない・持たない人が多くいる地域でも、スマホの普及は驚くべきスピードで進んでいます。これまでは国境を越えて出稼ぎに出た場合、家族のもとに仕送りするには多くの手数料と日数を要していました。しかし、オミセゴーが現れたことで、早くて安い送金が可能になりました。スマホを利用したOMG決済に対応する店舗も増えつつあり、仮想通貨の中でも実用面でより進んだ存在です。
オミセゴーを作り出したのが日本人という点も、応援したくなる一因です。
【3位】ジーキャッシュ(Zcash:ZEC)
高い技術が評価されている匿名通貨
時価総額ランキング:21位
モネロ(Monero:XMR)やダッシュ(DASH:DASH)とともに匿名通貨として有名なのがジーキャッシュです。金融庁の規制の方針によって日本の取引所で上場される可能性はほとんどありませんが、匿名性を持った通貨の需要は確実にあります。また、ジーキャッシュの「ゼロ知識証明」という匿名性を高める技術は高い評価を受けており、アメリカの大手銀行・JPモルガンが採用を発表しています。
既存の金融機関との提携という面では、他の匿名性の高い通貨と比較しても一歩先を進んでおり、今後も普及が進むと思われます。
【4位】ドージコイン(Dogecoin:DOGE)
草コイン取引には必須の仮想通貨
時価総額ランキング:24位
当初はネタコインとして作られたドージコインですが、今では草コインの取引になくてはならないものになっています。ビットコインやイーサリアムを基軸通貨として取引する場合、草コインとの取引では草コインの価格が小さすぎて細かな取引ができません。そんな時、同じように価値が低いドージコインを基軸通貨として取引することで、より細かな取引が可能になります。
ドージコインを基軸通貨として採用しているのは、草コインの取引所として有名なCryptopiaやCoinExchange、Mercatoxなどがあり、草コインの取引が活発になればなるほど、ドージコインの需要も高まると思われます。
【5位】キャッシュ(QASH:QASH)
仮想通貨の新たな時代の主役となるか?
時価総額ランキング:84位
キャッシュは仮想通貨取引所Liquidが発行するオリジナルトークンですが、従来の取引所トークンとは異なる性質を持っています。従来の取引所トークンは、配当の割当や取引手数料の割引など、その取引所を利用する上でのメリットが得られていました。
しかしキャッシュは、世界の取引所を一つにする「ワールド・ブック」構想のために作られた仮想通貨です。これまでは各取引所が「取引板」を持ち、取引はそれぞれに分散していました。しかしワールド・ブックが実現すると、それらを同じ「取引板」にまとめることができます。そしてそのとき、キャッシュは各取引所を血液のように循環することになります。
Liquidの栢森CEOによる動画やブログでの情報公開も積極的に行われており、透明性が高く、将来性もある通貨だと考えています。
【6位】アリス(ALIS:ALIS)
日本発!新たな情報提供プラットフォームとなり得るか?
時価総額ランキング:717位
仮想通貨Steemに感銘を受けた日本人が作り出した仮想通貨です。従来のインターネット・ポータルサイトでは、知りたい情報を検索すると多くの広告が表示されます。読者が必要とする情報ではなく、サイト運営者が見せたい情報が優先して表示されます。
Steemやアリスは、広告などを一切排除し、読者が本当に求める情報を提供するためのプラットフォームを提供します。2018年1月から仮想通貨とブロックチェーンのカテゴリーに限ってクローズドβ版が運用されていましたが、2019年1月10日にオープンβ版が公開され、カテゴリーを問わずに自由に記事を投稿できるようになりました。
日本で開発されているため情報が得やすく、プロジェクトの進捗状況も分かりやすくなっています。現在は順調に開発が進んいると見られており、今後はいかに幅広く浸透していくかが注目されています。
【7位】ウェイブス(Waves:WAVES)
オリジナルの仮想通貨を作るならウェイブス
時価総額ランキング:22位
ウェイブスを利用すれば、誰でも手軽にオリジナルの仮想通貨を発行できます。アメリカのファストフード大手のバーガーキングは、ウェイブスを利用して独自のWhoppercoinを発行しています。しかも、オリジナルの通貨を発行するのに必要となる費用はわずか1WAVES(約280円)です。
さらに、ウェイブスの公式ウォレットを利用すれば、ユーザー間で直接取引でき、手数料がかからない分散型取引所(DEX)の利用も可能です。
オリジナルの通貨が発行できるサービスは、イーサリアム(Ethereum:ETH)やネム(NEM:XEM)、カウンターパーティー(Counterparty:XCP)など多くのプラットフォーム型の仮想通貨で提供されていますが、利用しやすさと手数料の安さで、ウェイブスが今後さらに普及すると思われます。
【8位】インソーラー(Insolar:INS)
生産者と消費者を結び付ける物流プラットフォーム
時価総額ランキング:228位
生産者と消費者を直接結び付ける、ロシア発のプロジェクトです。卸業者や小売業者が仲介しないことで、商品を安く消費者に届けることができます。仮想通貨のブロックチェーン技術は物流分野との相性も良く、応用が期待されています。
GiHhubでの開発も盛り上がっており、既にベータ版がリリースされていることから、今後は積極的な展開が期待されています。
【9位】バイブ(VIBE:VIBE)
仮想現実のための仮想通貨
時価総額ランキング:177位
VRやVAといった仮想現実を配信・体験できるプラットフォームを提供するのがバイブです。VR・VAクリエイターの作品を、仲介者なしでユーザーに届けることができます。2018年にはメインネットの立ち上げにも成功し、2019年はVR・VA作品を商品としての販売開始や、他のVR・VAプラットフォームとの提携も計画しています。
2018年2月4日には、アメリカ最大のスポーツイベント・スーパーボウルでバイブのCMが流され、価格が急激に上昇しました。また、PS4やAWSといった世界的企業やサービスとの提携も発表されており、今後のVR・VA界において大きな役割を果たす可能性があります。
【10位】モナコイン(MonaCoin:MONA)
日本で生まれ、日本で愛される仮想通貨
時価総額ランキング:83位
日本発祥の仮想通貨です。また、日本以外では人気が出る可能性がきわめて低いコインでもあります。しかし日本では強固なコミュニティが存在しており、利用できる店舗も存在しています。ツイッターで少額の投げ銭として利用できることや、マイニングへの参入も比較的容易であることなどから、今後も一定の需要が見込まれます。
爆発的な値上がりはあまり期待できませんが、少しずつゆっくりと成長を見守りたい通貨です。
将来性のある仮想通貨のまとめ
以上、独断と偏見でTOP10を挙げさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?時価総額で上位のビットコインやイーサリアムは、仮想通貨界全体の動きとともに上昇することはあっても、その通貨独自のニュースによって大きく値を上げる可能性は小さいと思い、ここには挙げませんでした。資産として持っておくのは「アリ」だと思いますが、将来性という観点から外させてもらいました。
多くの仮想通貨の中から、投資する通貨を見つけ出すのは楽しい作業です。この記事が、あなたの仮想通貨投資に少しでも役に立てると幸いです。なお、実際に投資する際は全て自己責任でお願いいたします。
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